自動車保険基礎知識

自動車保険で通販型と代理店型の違いとは

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長年代理店型の自動車保険を販売してきた私が、通販型と代理店型のメリットやデメリットなどを、説明してみます。

 

代理店型自動車保険のメリット

 

1.保険内容についてきめ細かいサービスを受けられる

やはり代理店型の一番のメリットは専門家としてのアドバイスを個別にもらえることでしょう。

 

自動車保険の補償内容について完璧に理解している人はほとんどいませんから、車の種類や家族構成、車の使用用途などに応じて最適な保険を提案してくれることは非常に便利です。

 

長年付き合っている代理店であれば、例えば
息子さんがそろそろ免許を取る年ごろだと思いますが、もし取ったら年齢条件を変更する必要があるので教えて下さい

などと、教えてくれることも多いでしょう。

 

顧問弁護士までとは言いませんが、「顧問保険代理店」として有効活用することが出来るはずです。

 

保険の内容などを自分で調べる事が面倒だと感じる人には、代理店型が良いでしょう。

 

2.事故の際に、SC(サービスセンター)に圧力をかける事が出来る。

これは少し裏の話になってしまいますが、実際にあることなのでお話します。

 

例えば事故が起こり、支払いの内容に納得がいかないことはあります。その際に実際の事故処理をするSC部門に対し、代理店から圧力をかけてもらう事によって、支払いが多くなることがあります。

 

「そんなのおかしいだろ!」と思う方も多いでしょうが、実際にそのような事は日常的に起こっていました。

 

もちろん、どの代理店でもそんな力があるわけではなく、例えば私が居たような大型代理店になると、そういった無理も効くようになっています。保険業界から離れたので、告白してしまいますが、例えばこんなことがありました。

 

Aさんがポルシェのカイエンを駐車場の壁にぶつけてしまい、車両保険の請求です。

 

車を見ると、左前と右後方に擦り傷がありました。これをAさんは駐車場でスリップして前と後ろを同時にぶつけたと主張。

 

しかし、SCはどう見ても2回別の事故でぶつけた傷だと判断しました。

 

もちろん、二回の事故だとしても保険がおりないわけではありませんが、2事故になると割引等級は6ダウンですし、同一年度内二回目の事故なので免責(自己負担)も10万円です。

 

当然SCは1事故としては扱えないと言い出し、お客さんと揉める状況に。

 

ここで、代理店の登場です。保険会社の担当営業部長に相談しました。私が居た代理店は上場企業内の代理店です。そしてAさんは、上場企業の役員と交流がある人でした。

 

結果、営業部長から、SCの部長という流れで、1事故として処理されたのです。

ここまで酷いケースはそれほど多くありませんが、代理店がSCに文句を言う事によって支払い内容が変わることは日常的にあることです。

 

ただしこのような対応は代理店の規模や代理店の営業方針によって変わってきますので、どこの代理店でもやってくれるサービスではないことは注意しましょう。

 

一般的には大きい代理店の方が有利なことは確かです。

 

通販型自動車保険のメリット

 

1.圧倒的に保険料が安い

通販型のメリットと言えば何といっても圧倒的に保険料が安いことに尽きるでしょう。

 

私が代理店勤務していた頃に、他社の保険会社に逃げてしまうお客さんは当然いましたが、100%通販型への変更でした。

「嫁にこっちのほうが安いって言われたからごめんね」などと言う方が多かったですが、実際に保険料を教えてもらうと、ちょっと引き留めるのは難しいと感じるほどの差額でした。

 

アバウトに言うと、通販型は代理店型の半額の保険料で済んでしまいます。

 

1割2割であれば、最適な保険設計などである程度近づけることは可能ですが、半額となると保険料で勝負することは不可能です。

 

そうなるとサービス面で説得するしかありませんが、10万円の保険料が5万円になってしまうと、年間5万円払っていただくようなサービスを提供できる自信は正直ってありませんでした。

 

後は日本的な付き合いを強調するか、「事故の時に通販型は弱いですよ」(実際はそんなことはありません)などと若干の嘘を織り交ぜながら説得するくらいしかありません。

 

2.煩わしい代理店との付き合いが必要ない

代理店型のメリットで、きめ細かいサービスを受けられると書きましたが、人によっては「いちいち保険の更新のたびに代理店にあうのが煩わしい」と感じる人もいます。

 

特に最近の若い人はその傾向が強いです。代理店型に入っているのにもかかわらず、会って継続するのを嫌がり、電話で継続手続きをする人が増えています。

 

しかし、代理店型で電話更改するなんて、ただの損です。 電話で継続するのであれば通販型にしたほうが、保険料が半額なる訳ですから相当得になります。

 

代理店型で契約して、平日の夜や休みの日に時間を取られるのが嫌だと考える人にとっては、ネットや電話で完結できる事が、通販型のメリットになるでしょう。

 

結局、自動車保険は通販型と代理店型どっちがいいの?

両者のメリットを書いてみましたが、どちらを選べばよいのでしょうか。 私なりの意見を書いてみたいと思います。

 

【結論】
お金持ちならば代理店型

 

これはふざけているわけでも何でもなく本当にそう考えています。 分かりやすく言うと代理店型自動車保険は贅沢品だという事です。

 

確かにサービスは多少良くなりますが、それに対して保険料が高くなりすぎていると思います。

 

代理店型を売ってきたものとして言いますが、代理店型を選んで得られるサービスと、それによって上がる保険料はマッチしていません。

 

それを理解したうえで、「保険料が高くなっても楽な方がいい」とか「事故の時に手伝ってもらえそうで安心」などの理由で高い保険料を払える人は代理店型が良いでしょう。

 

逆に普通の経済感覚の人であれば通販型の方がメリットは大きいはずです。

 

ちなみに私は普通の経済力しかありませんので代理店を辞めた今は通販型を使っています(笑)

 

恐らく今回書いた内容を多くの人が読まれれば、かなりの割合で通販型に移行する人が出るでしょう。

 

しかし現実には通販型自動車保険は全契約者の7%前後という状況です。

 

必死に代理店が頑張っている成果とも言えますが、何となくそのまま継続している人が多いことが一番の理由ではないでしょうか。

 

昔と違い、今は3分程度でダイレクト通販の見積もりが一気に取れるサービスがあります。

 

電話が来ないところが特に使いやすいですね。
これがもっと普及したら、代理店型は終わるかもしれません。

 

実際に使ってみて驚きました。

 

毎年このようなサービスと使って、その年に一番安い保険会社で契約する時代が来ると思います。

 

最後に、代理店の人が良く言うセリフに「通販型は事故処理がいい加減なのでやめた方がいいですよ」がありますが、あれは嘘です。

 

通販型ではあっても実際の事故処理は大手保険会社に委託しているところも多数あります。

 

もしそこが心配で、通販型をためらっているのであれば、気にする必要はないでしょう。
※私も言っていました。 ごめんなさい。