「マンションの駐輪場にあったバイクが盗まれてしまった。バイクの盗難保険もかけてないしショックだな・・・」
今回は、自動車保険だけではなく、損害保険全般で「保険金請求」をしないまま終わってしまう事が多い事故例をまとめてみます。
過去に友人から「実は先日こんなことがあってね」などと話を聞いた際に「それって○○保険で請求できるよ」と教えたことによって非常に感謝された経験が何度もあります。
保険に携わっていても、ついうっかり忘れてしまいそうな事故例が多数あるので、ぜひ覚えておいてください。
また、「過去にこの事故あったけど、請求してなかった!」と気づいた人は諦めずに、今からでも保険会社に相談してみましょう。
事故例① 自宅マンション敷地内でバイクを盗難された

冒頭に書いた盗難事故ですね。
実は125cc以下のバイクに関しては、「火災保険の家財」として、保険金がおりる可能性があります。
「自宅敷地内(マンション敷地内)で屋根がある駐輪場」に置いてあるときに盗難されるなど、一定の条件はありますが、必ず保険会社に連絡をしましょう。
賃貸の方も、入居時に保険加入させられていると思いますので、必ず確認しておきましょう。
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※盗難関係の保険金を受け取る際には、必ず警察の受理番号が必要になります。ですから、事故があった時点で速やかに警察に連絡しましょう。
事故例② 自宅マンション敷地内で自転車を盗難された

自転車もバイクと同じ扱いになります。
自宅駐輪場で盗まれたのであれば、必ず保険会社で確認しましょう。
古い自転車だったとしても、保険契約の内容によっては新品を買える金額を受け取れますから、面倒だと思わずに行動すると良いと思います。
事故例③ 空き巣に入られて貯金箱から10万円盗まれた

現金の盗難も「火災保険の家財」で対応できます。
保険会社によって限度額は20万~30万などありますが、必ず事故の連絡をしておきましょう。
預金通帳やカードなどが盗まれて、現金が引き出された場合も補償されます。
※限度額は200万円から300万円など
実際に、二人の友人が空き巣に入られ、現金の被害がありましたが、両者ともに保険金を請求していませんでした。
友人の一人は、私のアドバイスで20万円を受け取り、その後おごってもらいました(笑)
事故例④ 落雷の後にノートPCが壊れてしまった

落雷による過電流で、コンセントにつないであるPCやテレビなどが壊れてしまうことがありますが、「火災保険の家財」で支払い対象になります。
同時にインターホンも壊れてしまうことも多いですが、こちらも「火災保険の建物」で補償されます。
事故例⑤ 雪の重みで車庫が潰れてしまった

雪の災害も、「火災保険の建物」で対象になる可能性があります。
車庫(カーポート)も補償範囲内にしている保険会社も多数あるので、事故があったら必ず事故の連絡をしましょう。
事故例⑥ 上の階の住人のミスで、水漏れ被害を受けた

この様に自分が被害者になった場合、上の階の住人が加入している「個人賠償責任保険」で修理費用が支払われるため、それで終わりにしてしまう人が非常に多いのですが・・
実は、自分が加入している火災保険でも「臨時費用」が請求できます。
自分が被った被害額の10%から30%が保険金として受け取れます。
「自宅に車が突っ込んできた」このような事故の場合も相手からの対物賠償で修理可能ですが、自分の火災保険の対象にもなるため、臨時費用が請求できます。
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臨時費用は別途受け取れる保険金ですから、例えば100万円の被害が出て相手から100万円を受け取った場合、上乗せで10万円~30万円受け取れることになります。
非常に請求漏れが多い(というよりほとんど請求されない)事故になります。
相手にすべて修理してもらったとしても、自分の保険会社に事故の連絡をする習慣をつけると良いと思います。
事故例⑦ 停車中に自動車に追突されケガで通院した

停車中の追突事故などこちらに非がない「無過失事故」の場合、相手の保険会社が対応します。
治療費などもすべて相手保険会社が相手になるため、「自分の自動車保険は関係ない」と連絡さえしない人が大半です。
しかし、「人身傷害に傷害一時金がセットされている」可能性があります。
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その場合例えば「1日以上の通院で1万円、5日以上の場合はケガに応じて10万円~100万円」などの一時金が貰えるのです。
これも、自分から請求しない限りもらえません(というより自分の保険会社は事故の事を知りません)
証券などで確認するより、まずは自分の保険会社に連絡してみましょう。
事故例⑧ 車のドアに指を挟んでケガをした

実はこのケガも自動車保険の「人身傷害保険」で対応できます。
車で事故を起こしてしまったわけではないので、自動車保険で対応できると思わない人が非常に多い事故例ですね。
同じような事故例に「車から降りる際に滑って骨折してしまった」があります。
お年寄りなどに起こりやすい事故ですが、これも「人身傷害保険」の支払い対象です。
保険約款には、「車の運行に起因する事故」となっています。
車に乗る瞬間から、車を降りるまでが「車の運行」と扱われるのです。
事故例⑨ 子供が徒歩で通学中に車と衝突した

このケースも自動車保険の「人身傷害保険一般型」であれば治療費はすべて支払われます。
赤信号で急な飛び出しなど、お子さんの過失が高いとしても関係なく支払われますし、相手との示談終了を待つ必要もありません。
友人の車や、バスなどに乗車中も補償範囲内ですから、交通事故にあったら自分の保険会社にも連絡する事を忘れないようにしましょう。
事故例⑩ 子供が自転車でお年寄りにぶつかりケガをさせた

このケースで使える保険は「個人賠償責任保険」です。家族を一つの保険で補償します。
火災保険の特約として付いているケースが多いですが、自動車保険などでも特約として追加可能です。
補償となるケースが非常に多い保険ですから、必ずつけておきたい特約ですね。
保険料も月額100円程度です。
事故例としては以下などがあります。全て「個人賠償保険」で補償可能です。
・空き地で野球をしていて、打ったボールで他人の家の窓を割ってしまった
・自転車で、駐車中の車に傷をつけてしまった
・飼い犬が他人を噛んでケガをさせてしまった
・スキーで他人に衝突、ケガをさせてしまった
・お店で商品に誤ってぶつかり破損してしまった
・マンションで水が溢れ、下の階に被害が出てしまった
保険金請求の時効は3年間
私が実際に保険の仕事をしていた中で、請求漏れが多かった事故例をまとめてみました。
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基本的に保険金請求の時効は3年となっています。
しかし、約款には、「事故があったら速やかに通知する事」となっていますので、出来るだけ早く事故の連絡をするようにしましょう。
「4年前の盗難事故だから時効か・・・」 と諦めないでください。
資料がきちんと残っている場合、実務的には受けてくけてくれることもあります。
長年保険業界にいた私でもうっかり請求漏れしてしまいそうな事例は多数あります。
その上、最近の保険会社は補償範囲を広げた新商品を毎年発売しています。
ですから、何か事故があった時には、加害者であっても被害者であっても、保険会社に対して「何か対象になる保険はありますか?」と確認する習慣をつけると良いと思います。
※代理店に確認すれば安心と思うでしょうが、代理店によって保険知識にはかなりの差があるので、保険会社の事故受付センターに確認した方が間違いないかもしれません(笑)
今回の文章で請求漏れに気づき、保険金を受け取れた方が一人でもいれば幸いです。
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